就任にあたって
ロシアによるウクライナ侵攻という、いままで我々が常識だと思ってきた「平和や自由」という概念が大きく覆されました。
資源や食料の輸入が滞ることによる急激な物価の上昇や資材不足により、多くの方がコロナ禍以上に国の先行きや安全保障の問題に不安を感じていると思います。一方、ロシアの隣国の世界一幸福な国と言われるフィンランドは、NATO加盟に傾き、さぞや戦々恐々の状態なのかなと思いきや、そうではないようです。
フィンランド人はいざという時に国民の約4分の3の人が自国のために戦うことを望んでいるという調査結果が出ています。企業においても防衛の意識は高く、常に協調して侵略だけでなく自然災害やパンデミックに対しても万全の備えを行っているようです。
幸福の核心は自らが国を守り、戦おうとする国民の意志なのかもしれません。残念ながら到底まねのできないところです。
我々がせめてできる事としたら、「互助」や「共助」の精神に基づいた企業運営を行うことだと考えます。
建設業協会はまさしく社会の「共助」の担い手として期待される団体と言えるのではないでしょうか。その役割は大きく分けて2つあると思っています。
1つは公共建設に携わるものとしての役割です。自然災害が発生した時の緊急対応は我々の責務と考えます。特定の会社だけに頼るのではなく、協会と地区建設業協会が一体となった体制づくりが必要だと感じます。温暖化が進むなかで、豪雨災害は毎年のように発生します。協会全体で災害に対しての備えを行うことが大切だと考えます。
2つ目は建設業がもつ課題への取り組みです。担い手不足の問題、技術レベルの更新、将来へ進むべき方向など、それぞれの会社が少なからず、将来に対して不安を抱いていると思います。これらの課題解決は単独で行うには難しくなり、共同で取り組むことにより、解決の糸口を見出すことができると考えます。不安を払しょくし、各社が今以上に地域の創造の担い手として活躍されることを期待したいところです。
会長職は決して適任とは言えませんが、皆さんにとってメリットのある団体となるよう、一生懸命努めさせて頂きますので、2年間、どうぞよろしくお願いします。